村田町村田伝統的建造物群保存地区

 町は、平成26年3月10日に伝統的建造物群保存地区を決定し、平成26年3月13日に国へ「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)」選定申出を行いました。
 平成26年5月16日に開催された国(文部科学省)の文化審議会は、同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに村田町村田伝統的建造物群保存地区を「重要伝統的建造物群保存地区」に選定することを文部科学大臣に答申しました。
 これを受け、平成26年9月18日付けの官報に告示され正式に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されました。宮城県では初の選定となり、全国では108地区目の選定となります。

 

保存地区の概況

■保存地区の名称   村田町村田伝統的建造物群保存地区 
■保存地区の所在地  村田町大字村田字町の一部 
■保存地区の面積   約7.4ヘクタール 
■保存計画        保存計画(PDF形式:491KB)
■重伝建選定基準   (一)伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの

(選定基準) 
重要伝統的建造物群保存地区選定基準(昭和50年11月20日 文部省告示第157号)伝統的建造物群保存地区を形成している区域のうち次の各号の一に該当するもの 
(一)伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの 
(二)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの 
(三)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの

■伝統的建造物及び環境物件の特定数 
伝統的建造物(建築物) 83件 
伝統的建造物(工作物) 46件 
環境物件 1件 
合計 130件(令和5年11月現在)

重伝建地区の概要

保存地区の歴史

 村田の町場は、村田館より東に見下ろす位置に展開し、町中央を南北に通っている街道は、南は大河原、北西へは川崎を経由して笹谷峠、山形、北東へは菅生を経由して仙台城下へと通じており、主に川崎や山形方面への主要な交通路でした。 
 村田における紅花の取引は、遅くとも18世紀初期に始まっており、柴田郡や刈田郡の周辺において生産された紅花を集荷する仙南地方の拠点となっています。村田に集積された紅花は、上方や江戸へと出荷されました。上方への輸送は、笹谷峠を経て山形の大石田で船に積み替え、最上川を下り酒田から日本海を北前船で運んでいます。 
 村田商人は、京都で売った紅花の代金で、帰り荷として上方の物資を大量に購入し、鋸商(のこぎりあきない)を行いました。当時、上方の物資は日本海の航路で運ばれることが多く、酒田や山形と交通の便がよかった村田は、上方と仙南地方を結ぶ中継商業地として繁栄しました。 
 明治22年(1889)に村田郷は近隣の3つの村と合併して「村田村」となり、更に明治28年(1895)には「村田町」となりました。明治15年(1882)頃に化学染料アニリンの普及により、紅花の取り扱いはなくなりますが、その後も江戸時代以来の商品は引き続き扱われ、さらに味噌、醤油、生糸、薪、炭、紡績糸、洋反物、繭などの集散地となります。有力商人の中には、株主や大地主として新たな活路を見出す者もあり、昭和期に至るまで商業地として繁栄を続けました。 
 戦後以降は経済基盤の変化や生活の近代化、自動車交通網の発展などにより、商業地としての役割は薄れ衰退の一途をたどりましたが、近世から近代にかけて築かれた町並みは姿を留め、当時の繁栄ぶりを今に伝えています。

保存地区の特性

慶應2年(1866)居屋敷並家中屋敷絵図面(写)
慶應2年(1866)居屋敷並家中屋敷絵図面(写)

 慶応2年(1866)の状況が描かれているとされる絵図『居屋敷並家中屋敷絵図面(写)』には、村田館の東側に河川に沿って町が描かれています。町は、村田館に東面して「表小路」を南北に、そして、番所から「大手小路」、その北側に「北小路」を東西に配し、それらによって区画された宅地は「侍屋敷」となりました。さらに、その東側に道幅の広い街路が南北に通っており、その両側には、北から「足軽屋敷」、「町家」と記された街区が形成されています。また、各街路に沿って水路が整然と配置されている様子がうかがえます。 
 商業地の中心となった「町家」の短冊形の地割の状況は、水路の位置にやや違いが見られるものの、ほぼ現在に受け継がれています。 
 保存地区内の伝統的建造物は、土蔵造の店や蔵、真壁造の主屋(建築物)、そして、門や塀(工作物)などです。中でも、耐火性能を備えると同時に富の象徴として、明治前期から大正期にかけて次々と建てられた土蔵造の店は、本町地区を中心に多数残っており、ひときわ存在感を醸し出しています。戦後以降、改築や建て替えが行われたものもありますが、今なお多くの伝統的建造物が残された町並みは、近世から戦後にかけて商業地として繁栄した町の歴史を、今日に色濃く伝えています。

お願い ~マナーを守って楽しい伝建地区散策を~ 
保存地区は、住民のみなさまが日々の生活を営んでいる町並みです。通りから建造物等の外観をお楽しみいただくなど、見学のマナーを守りましょう。 
敷地内・建物内に無断で立ち入るのはご遠慮ください。ご協力をお願いいたします。

村田町生涯学習課
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